今伝えたいこと
「重要なのは気候であって、刻々と変化する天気ではありません」
今、コロナ禍の影響で、社会全体が不安な状態になっています。
私たちは、そのつもりがなくても、いつの間にかその雰囲気にのまれてしまいます。
子どもを育てていても落ち着かないことでしょう。
そんな中で「いつも」素晴らしく明るく穏やかないい親でいること、
ポジティブな自分でいることを求めるのは難しいことです。
メーガン・フィッツジェラルドは言います。
「重要なのは天気ではなくて気候です」。
メーガンの言葉を意訳・改変しつつ、内容をご紹介しますね。
赤ちゃんたちは、親とのやり取りやそのときどきの親の機嫌をすべて憶えていることはできません。でも、親のふるまいのいつものパターンには気がついています。
親は、雷を落とすこともあるけれど、基本は、愛情をかけてくれて柔らかくて安心できる存在です。泣いているときには泣き止ませる工夫をしようとして、最後はぎゅっと抱きしめてくれます。
今、押し寄せている嵐のような不安に対して、親たちがストレスを感じて脅かされているとしたら、それは赤ちゃんたちにどう伝わっているでしょうか。
社会全体の天候はいまだかつてないほど荒れていますが、でもそれは家の外のことです。
赤ちゃんたちには、家族の持つ温かな雰囲気にこそ意味があるのです。
そうだとしたら、家庭の中に温かい雰囲気を満たすためにどうしたらいいのでしょうか。
赤ちゃんが安心できる環境を作りましょう。
完璧になんて思う必要はありません。
家族のやり取りの中に温かさやつながりやお互いへの尊重が感じられることが大事です。
愛情を示しましょう。
ステイホームの状態は、赤ちゃんとたくさんの時間を過ごすことを可能にしています。
スキンシップを大切にしましょう。
スマホをできるだけ手の届かないところにおいて、テレビの音を小さくして、赤ちゃんの方を向く時間を少し増やしましょう。身体的に、感覚的に、赤ちゃん大好きだよと伝えるのです。
安心できる人が一緒にいること、何よりもそれが赤ちゃんにとって一番なのです。
家の中ですから常に持ち上げて抱っこやおんぶをしている必要はありません。
「 一緒に」「赤ちゃんに意識をむけて」過ごすだけでいいのです。
アクティブな時間を持ちましょう。
赤ちゃんは外界の刺激を受け止めて、身体感覚や五感のバランスをうまくとるためのシステムを持っています。落ち着いた気持ちでいるためには、実は身体を動かす必要があるのです。
赤ちゃんの身体は、現在の外出自粛の状況で外に出たり探検したりする機会が少ないために、
声にならない叫び声を上げている可能性があります。
ですから、親も一緒に身体を動かし、関節と筋肉を活性化する時間を作りましょう。
目が覚めたら、赤ちゃんと一緒に少しだけでもヨガやストレッチをしましょう。
散歩に出かけ、軽快に愉快に歩きましょう。
外に出られないときは、
赤ちゃんがジャンプやハイハイしやすいように、家具を少し避けて場所を作りましょう。
夜になったら、優しくベビーマッサージしたり、
星野源やAKB48の音楽で家族で楽しく踊ったりしてもいいですね。
一緒に一日を振り返ります。
家族はみんなで、バラの花と棘(とげ)と蕾(つぼみ)を一緒に持っているようなものです。
バラの花はきれいで華やかですが、同時に痛い棘もあるし、まだこれから咲く予定の蕾を待たなければなりません。
バラを持つということは、いろいろな感情を共有し、対応の難しい瞬間をなんとか乗り越え、
これから一緒に過ごす時間を楽しみにして、お互いの存在を祝うということなのです。
赤ちゃんは、家族で過ごす日々の中でこそ自分の経験を処理して学ぶ能力を持つようになるのです。大人たちの生活に赤ちゃんが一緒に参加するということはあまりないように思えるかもしれませんが、家族の今を赤ちゃんと共有することで、いろいろな感覚や考え方、日々の生活そのものを体験させているのです。
自分で引き寄せてしまう不安を減らしましょう。
心配なことは横の棚に置きましょう。
コロナ禍の中では、今までできていたことができなくなるかもしれませんが、
不安に圧倒されて日常が揺らぐよりは、
生き抜くためにルールを緩めたり変えたりすることも考えてみて下さい。
たとえば、いつも赤ちゃんと一緒にいられるわけではないので、
やっと制限しているおやつやメディア接触のルールも
いとも簡単に誰か他の人によって破られてしまうかもしれません。
自分が選択して決めたルールが守られないとショックを感じてしまうかもしれませんね。
でも、赤ちゃんたちも、自分たちが生きている世界ではルールが状況によっては変わることもあると知ること、周囲に柔軟に適応する必要があると知ることも必要なのです。
毎晩、自分に問いかけましょう。
布団の中で「今日うまくいったことは?」と思い出してみましょう。
残りのすべてのことを一度手放して、家族との一日の大切な瞬間を十倍にしてみましょう。
小さな習慣ですが、この習慣は私たちの生活に大きな違いをもたらすでしょう。
さて、今は、この大嵐を乗り切ろうという時期です。
どんな小さな方法でもどんな小さな瞬間でもいいのです。
この中でできることから少しずつ、自分たちの家族の持つ「気候」を育てましょう。
繰り返しますが、完璧でなくていいのです。
あなたの気分は、天気と同じで、刻々と変化することでしょう。
でも、大事なのは気候、つまり家族の持つ雰囲気です。
あなたは赤ちゃんたちとこの時代に耐えられる強力な基盤を築き上げていく一歩を始めることができるでしょう。
自分を信頼してください。
そして、もし気候を作ることがどうしても難しいと感じたときには、
このAKAGOにやってきて、皆からのアドバイスを受けましょう。
相談に乗ってもらいましょう。
私たちを信頼して下さい。 武田信子記
- tinkegarten というウェブサイト(2020.4.10)に掲載されたメーガン・フィッツェジェラルドの 文章を参考にしながら、文言を変えつつまとめました。
<a href=”https://tinkergarten.com/blog/in-our-homes-right-now-its-the-climate-not-the-weather-that-counts?utm_source=cn%26n&utm_medium=blog&utm_campaign=finding%20nature”>文書はこちらから</a>
投稿者 武田信子
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